「面倒くさい」は大チャンス

以前テレビで、矢沢永吉さんのライブツアーの様子をドキュメントタッチで放送している番組を見たのですが、彼は納得いくまでリハーサルをし、ステージでの曲順などの段取りを厳密に決めたうえでツアーを開始するのです。

けれども、ツアー中にもかかわらず、毎日終わった後反省会を開いて、何か気に入らないことがあるととことん拘って、ダイナミックに曲順をかえたり、曲の中での演奏内容を変えたりさえするのです。

本人いわく、面倒くさいかと聞かれたら面倒くさいに決まってるけど、今やらなければいつやるんだ、と明言していました。その変更の影響は、一緒にツアーに参加しているミュージシャンたちに多大な労力を要求することにもなるのです。

先日引退することを発表した宮崎駿さんの、最後の作品となるだろう「風立ちぬ」の製作現場に密着取材した番組を観ました。彼は、大抵がひどく不機嫌で扱いづらい人のように見えました。

彼の口癖が、「面倒くさい!」でした。面倒くさいを何度も何度も連発しながら、どうにかこうにか創作を続ける苦闘の毎日を送っていたんだなということがよくわかりました。

さらに彼は、「大抵、大切なことは面倒くさいものだ!」とも言っていました。彼によると、「風立ちぬ」は今までの彼の作品の中でも際立って面倒くさいものだとも言っていました。

実は、面倒くさいという心の奥には恐れが潜んでいます。立ち向かうことを恐れていると、そのことを隠そうとして面倒くさいという感覚になったりするのです。

面倒くさいからやらないかと言えば、やらずにはいられないのです。それが、彼の中の好奇心だったり、純粋な愛の部分なのでしょうね。

あなたの人生にも面倒くさいは、度々やってきているはずです。その時には、恐怖から身を守ろうとする防衛を少しでも緩めて、できるだけ無防備になるチャンスがやってきたと思うことです。

日々の「面倒くさい」を点検してみることですね。そして、面倒くさいという感覚を十二分に感じながらも、逃げずに行動することです。

そういえば、最近面倒くさいセミナーをやってないなあ…。