あなたの人生を本質に譲る

日々、さまざまなクライアントさんとセッションを通してお話しさせていただくなかで、私たちの本質について気づいている、もしくは何となくわかっているという方が時々いらっしゃいます。

それは、簡単な検証をさせていただくことで分かるものです。たとえば、自分が肉体そのものだという根深い思いがある一方で、身体そのものではないということに気づいているということ。

そして、だとするともっとも近い表現を選ぶならば、自分は意識だということ。さらに、意識の境界を調べて見て、それが見つからないことも明らかであるということ。

それはつまり、意識には大きさというものがないということ。したがって、それは無かあるいは無限大であるということ。そこまでも分かっているということです。

そして、人によってはいつもこのブログで使っている全体性のことをしっかりと感じてもいるのです。それは明らかに、みずからの本質について知っているといってもいいのです。

それなのに、日々の生活の中に横たわる苦しみの中にいて、それに翻弄され続けている方々がいます。自分の本質に気づいているはずなのに、そのことが人生の問題を解決してくれないのです。

それはなぜなのかと不思議に思いませんか?実はそれは当り前のことで、本質に気づいたからといってそのことが直接的に問題を解決してくれるものではないからです。

気づきの効果は、間接的にやってくるのです。本質に気づいているのは、あなたではなくて本質そのものだからです。私たちのエゴは、それを自分の手柄のように横取りして、あたかも自分が気づいたようにでっちあげるのです。

あなたの本質が、あなたが望むように、あなたの人生に手を入れることはありません。あなたに特別な力を与えて問題を乗り越えられるようにしてくれるわけでもないのです。

あなたが、あなたの人生の行方をあなたの本質に譲ることです。そうした要素が増えてくればくるほど、あなたは問題を解決しようとしなくなり、その結果問題は問題ではなくなるのです。