古い記憶と一時記憶

来年早々に91歳を迎える母親の記憶力が、日に日に曖昧になってきているのが気になるようになってきました。

昔の記憶は普通に覚えているのですが、昨日のこと、今日のこと、何なら10分前のことを忘れるようになってきたのです。

思い出してごらんと言って待っていると、少しずつ思い出せる時もあるのですが、それが最近になって思い出せないことが多くなってきました。

要するに、一時記憶装置である海馬の部分が正常に動作しなくなってきたからなのだと判断しているのですが、今のところ特効薬のようなものはないようですね。

本人としてもそれはとても気持ちの悪いことのようで、本当に可哀想だなと思うのですが、こればかりはどうしてやることもできません。

私自身もうすぐ高齢者の仲間入りをする身として、いつか自分がそうなったらどうするだろうと考えることがあるのです。

しばらくは慣れるのに時間がかかるとは思うのですが、もしかしたら充分に意識的であるなら、あまり不便を感じずに生きられるのではないかと思うのです。

記憶というのはそもそも思考が使うものなので、思考を緩めて生きるのであればあまり記憶は重要ではないのです。

それよりは、日常的な生活全般を不便なく行えるマインドの部分さえ機能してくれれば、後は意識があればいいのです。

そこで使われる記憶情報は、基本的に古いものばかりなので海馬の能力が低下しても大丈夫なはずです。

いつかそれを自ら検証できるときがやってくるのかもしれませんね…。

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