生に身を委ねる

最近 YouTube で可愛いペットちゃんたちの動画を観ることがあります。ペットといっても主にワンチャンとネコちゃんですが。

先日観た動画が印象的だったのですが、それは保健所から貰われてきた生後一ヶ月くらいの子犬が、恐怖に怯えてケージから出てこないのです。

丸い小さな身体で、身を縮めて震えていて、餌をやっても見向きもしない。一体これまでどんな目に遭ったのだろうと思って、心が痛い。

動画の投稿者は、とても辛抱強く毎日毎日少しずつ距離を縮めていって、ようやく餌を食べるようになるのです。

人間が近くにいると怖がって食べないので、餌を置いて遠くから見るというのを繰り返すのです。

そんなことをずっとやり続けて、ケージから出てくることができたときの喜びは想像に難くありません。

途中を端折りますが、結局最後にはその子犬が飼い主さんに心を開くようになって、朝になるとベッドの上に乗っかってきて顔を舐めて起こす姿がありました。

その姿を見て、それって人間と同じなんじゃないかって思ったのです。私たち人間もずっと長い間、生に対して心を開くことなく警戒しながら過ごしているのです。

それはもう、無数の生に渡って長いこと続けてきたのです。もしもあの子犬のように心を開いて、生に身を委ねることができたならどれほど豊かな毎日になるのか。

生を信頼してひっくり返ってお腹を撫でててもらうことができたら、きっともう二度と生まれ変わってくる必要もなくなってしまうのでしょうね。