生まれる前には、自分というのはいませんでした。そして死んだ後もきっと自分はいないはずですね。
それが自然の法則です。であるなら、その真ん中のほんの束の間にだけ自分がいるというのはどうも怪しい気がしませんか?
それこそ自然かと言ったら非常に不自然極まりないのです。「いない→いる→いない」という流れはやっぱり不自然です。
一番自然だなと思えるのは、「いない→いない→いない」という流れ。流れというよりも元々いないものは、ずっといないままであるのが自然なのです。
つまりは、自分という個人は作り物だということです。初めからいないし、途中でもいない、そして終わりでもいないのです。
それをじっくり味わってみると、当たり前過ぎて笑えてきます。自然か不自然か、どちらを取るかと言えばもちろん自然の方でしょう。
だからどれほど不愉快であろうと、どれだけ残念に感じようと、あなたはいないのです。それが腑に落ちたとき、肩の力が抜けて、自然体に戻るのです。