潜在意識に光を当てる

まだ大人にはなっていなかったと思うのですが、ある時海に行って調子良く沖に向かって泳いでいたのです。

すると、突然それまで近くに見えていた海底が消えて、底無しの状態になったので急に怖くなって引き返してきたことがありました。

きっと平だった海底が、その部分で崖のようになっていたのだろうと思うのですが、底が見えないというのは何とも不気味な恐怖を感じさせるものがあるのですね。

それと同じように、私たちは自分の内側を見るときに、自分とはこんなものだと考えて心の底が意外に浅いもののように感じているので怖くないのです。

もしそれが内面を深く探っていってどこまでいっても底無しの様相を呈してきたら、空恐ろしく感じて探求をやめてしまうでしょう。

私はそれこそが自我の作戦なのではないかと疑っています。つまり、そうやって奥深くを見せないようにして自我の正体を隠し通そうとしているのです。

本当は心の底などなく、私たちの中心には何もないのです。自我というのは中心を持った確固とした実在などではないからです。

それがバレてしまったら自我は胡散霧消してしまうのです。それは自我の死を意味するので、怖くて見れないようにしているということです。

大変な恐怖にも負けずに、勇気を持って潜在意識の部分を見に行けたら、自我と一緒に人生も消えていくのかもしれませんね。