強靭な防衛システム

私たちが3歳くらいから作り出した自己防衛システムは、ネガティブな感情を見ないように仕向けてくるので、それが成功すればするほど感情を蓄積することになります。

こともあろうに、実は自己防衛システムの原動力は、その溜め込んだ感情というエネルギーであるから始末が悪いのです。

つまり、一度作りこんだ防衛システムというのは、それを使い続ければそれだけ自己増殖するようにできているということです。

その結果、本当は必要ではない場面であろうとも、とにかく防衛システムをそれ自体が稼動させたがるために、過剰防衛をすることになってしまうのです。

そしてそれがまた、防衛システムを強大なものへと進化させていくことになるのです。もうお分かりだと思いますが、幼いころに作り出した防衛システムは手に負えないのです。

防衛システムの本当の目的は、恐ろしいことにその防衛システムを存続させることになってしまうのです。決して自分を守るということが目的ではないのです。

けれども、そのことを本人が気づけないようにと用意周到なやり方がなされるのです。つまり、自分が防衛していることに気づくことができないようにさせられてしまうのです。

こうして書いてみると、向かうところ敵なしの磐石なシステムのように見えますね。しかし、本当のところはどうかと言えば、決定的な弱点も持っています。

それは、一度気づかれて化けの皮が剥がれてしまえば、意外に脆いものでもあるのです。そして、もしも心が無私の状態になったなら、それは使われなくなる運命にあるのです。

みなさんは、自分の防衛システムにどのくらい気づいていますか?そして、それをいつまでどのくらい稼動させたいと思っているのでしょうか?改めて、自分自身に問いかけてみてください。