自分へ意識を向ける

よほどの人間嫌いでもない限りは、気の合う仲間とワイワイやったり、大好きな人との大切なひと時を過ごすことは、人生の中でも最高の喜びの一つに違いないですね。

私たちは、その瞬間のために頑張って仕事をしたり、一生懸命勉強したりするのですから。人は、どんな形であれ自分以外の誰かと繋がりがなければ、殺伐とした心になってしまいます。

けれども、それだけではバランスがとれないことも事実です。人と過ごす時間が大切であるのと同じ程度に、自分独りの時間を過ごすこともとても大切なことなのです。

勿論、引きこもりになれと言っているのではありません。一日のうちの何時間かは、働きかける誰かがいない状態を作ることです。

それは、対象が相手でもそれ以外の何かでも同じことです。たとえばテレビを見ている時間も、自分独りではないということです。なぜなら、自分以外の何かに意識を向けているからです。

要するに、独りになるとは、自分へ意識を向けている時間ということです。とはいうものの、自分の過去や未来に思いを巡らすということでもありません。

たった今、この瞬間の自分にのみ意識を向けるということです。ここで心の反省会を開いてはいけません。それでは、結局過去の自分という対象ができてしまうからです。勿論未来についても同じです。

今この瞬間に順応している自分を見るのです。それは、もう過去を生きて、そして未来に向かっていこうとしている人物としての自分ではなくなるはずです。

今とともにある自分は何者でもなく、姿も形も大きさも位置もなにもなく、純粋な意識としてただただ在るのです。改善すべき何もないことに気づけば、いずれは間接的に、そしてボディブローのように人物としての自分に少しずつ影響することになるはずです。

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