マインドはトリックアート

上の図形は、錯視を利用したいわゆるトリックアートです。きっとみなさんも、どこかで見かけたことがあるはずですね。私たちは、自動的にこの図の中に二つの正三角形があるかのように錯覚させられるのです。

なぜこの図をお見せしたかというと、これと似通ったことを心の中でやっていることを説明するためです。私たちの心(マインド)の中には、それこそ無数の思考があります。

一つひとつの思考は、それぞれが上の図の中にある小さな図形と同様、独立したものなのです。思考と思考の間には、思考のない空間が存在します。

けれども、私たちのマインドはそういった一つひとつの思考の切れ端をこれまた思考によって繋ぎあわせて、そこにないものがあたかも実在するように作り込むのです。上の図の三角形のように。

数限りない思考群と、その思考が使う無数の記憶の束を利用して、一つのまとまりのある何者かを作り上げるのですが、その中心をなすものこそが、自我(エゴ)なのです。それが、あなたという自己イメージなのです。

本当はそんな中心などは存在しないのですが、マインドはそこに自我が実在するかのように自ら仕組むのです。あなたは、それを自分自身だと思い込んでいるというわけです。

上の図の中のどれか一つの図形をじっと見るか、あるいは図形のない空間をじっと見ていると、あると思っていた正三角形など存在していないということがはっきりする瞬間がやってきます。

実はそれと同じことをするのが瞑想なのです。思考をじっくりと見つめることで、思考と思考の間にある無思考の存在に気づくことができるはずです。

それを続けているうちに、思考同士の間の関連付けが崩壊して、その中心に座していたはずの自我も次第にそれが幻だったということに気づくのです。

そのことに気づくあなたとは、一体誰でしょうか?それこそが観照者としてのあなたであり、それが究極の一人称、つまり対象を持たない「無」としてのあなたの本質なのです。

どうですか?瞑想をしたくなったでしょ?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です