傍観者でいる

順を追って見てみると、まず初めに自我が発生し、それとともに分離という不可能な概念を作り出すのです。個という概念が分離を作るのですね。

その分離感が、不安や孤独感といった原理的にどうしようもない感情を作り出すことに繋がります。

それは、自分は惨めだという思いと重なるのですが、そこから脱出しようとすることで欲望が生まれるのです。

そしてその欲望がある限り、自我は安泰となるのです。欲望はそれを使えば使うほど、私たちをその本質から離れさせようとするのです。

そんなこんなで、自分が本当は何者なのかということなどすっかり忘れてしまい、目の前にやってくる出来事と戦い続けることになるのです。

欲望は起きてくることを、それ自身にとって都合の良いことと、都合の悪いことに仕分けします。

その結果、都合の悪いことが起きたと判断した時には、冷静さを欠いてより一層戦いの中へと入っていくことになります。

そんなことを繰り返しているうちに、人生は終焉を迎えることになるのです。少しオーバーに聞こえたかもしれませんが、これが現実です。

さてどうしたらいいのか?できることは特にありません。ただ傍観者でいることを練習するしかないですね。