ただ気づくこと

この世界にはきっと二種類の人しかいないのです。男性と女性ということではありません。健康な人と不健康な人でもありません。

お金持ちと貧乏人でもありません。私の勝手な分け方なので、そのつもりで読んで欲しいのですが、それは物語にどっぷり浸かっている人とそうでない人です。

他の表現を使うと、自分の人生を真実だと思っている人と、物語として見ることができる人ということです。

前者の方は、自分が思考まみれになっていることに気づかないのです。思考と自分自身の存在を切り分けることができない人。

後者は、思考の海の中で生活していることに気づいていて、それは本質ではないと分かっている人です。

この違いは、前者の人たちからは認識することができません。自分が見ているもの、体験することがすべて真実だと思い込んでいるからです。

一方の後者の人たちは、思考の外に出た瞬間、意識だけになることを知っているのです。その時には、どんな物語も消えてしまうし、罪深さも惨めさも丸ごと幻想だったと気づくのです。

本当の救いとは、前者であった人たちが後者になること。そして、後者の生活をさらに進めていって、ただあるがままの自分でいることができるようになること。

これは進歩するということではありません。何かができるようになるとか、知識を増やすとか、改善ということでもなく、ただ気づくことなのですね。