ルールや正しさから離れる

私のこれまでの人生の中で、2度ほど生きるのが楽になった時があったのです。一つは小学5年生の頃であり、もう一つは会社員を辞めた45歳の頃です。

小学4年生の頃までの自分は、真面目で正義感が強く、毎晩寝る前に1人で反省会をしているような子供でした。

その日一日の自分の言動を思い出しては、どこかどういけなかったのか、もっと正しい生き方がなかったのかをレビューするのです。

先生と友達との間に挟まれて苦しかったことを覚えています。先生の正しさも理解できるし、でも友達の気持ちも分かるといった具合に。

そのせいなのか、5年生くらいになってから次第に正しいこと、正義にあまり興味を持てなくなっていったのですね。

その結果、ひとり反省会は消滅して、代わりに気持ちのいい自由さを手に入れたような気がしました。正しさから解放されたということです。

ところが社会人になって、根っこにあった真面目さがまた顔を出すようになり、知らぬ間にどんどん社畜のようになっていったのです。

正確に言えば、社畜のように見えて実は単に自己防衛が強くなっていってしまったということです。

その結果が大腸癌という病を引き起こし、小学5年生の時に感じた自由をもう一度取り戻したくなったのだと思います。

自分が家族の大黒柱として働かねばという正しさから離れる覚悟を病気がプレゼントしてくれたのでしょうね。

自分を癒すというのは、培ってきた正しさやルールを傍に置いて生きるようになるということです。

今となっては、もうすでにだいぶ自由に生きてはいるのですが、できたらもう一度くらいどでかい自由を手にするチャンスがやってこないかなと思って、楽しみにしています。