思い込みを外して素直に見る

自分以外の人がどのように感じているのかは分かりませんが、私の場合は自分は頭の中心あたりにいて、二つの目を通して外を見ていると感じるのです。

その感覚は自我のものですね。個人として生きている自我としては、それが一番都合の良い解釈だからです。

その一方で、自分本体が本当のところどこにいるのかは、やっぱり皆目分からないままなのです。

その自己矛盾をそのままにして生きているわけですが、それを解決してくれた本があったのです。

その本によると、私が頭の中心と思っていた場所を、どんな先入観もなしにしっかり見るようにと、促してくれたのです。

そこで見えたものとは、その場所には頭どころか私などの片鱗もない、全くの透明で形のない、いわゆる無が広がっていたのです。

しかもその何もなさの中には、自分の前方に広がっていると思い込んでいたものが、入っていたのです。

つまり、自我が自分の外側に広がっているように見ていたこの世界が、そのまますっぽりと頭の部分の中に包含されていたということです。

思い込みを全て一旦外した状態で、素直な気持ちでこの実験を繰り返してみれば、きっと誰もが同じような体験をするはずです。