あなたは非存在

今から約50年前に、レッドツェッペリンというロックバンドが日本武道館でコンサートをやるというので、高校生だった私は見に行ったことがありました。

彼らの音楽は大音量で聞くのが最高なのですが、ただガチャガチャうるさいのではなく、爆音、無音、爆音のようなメリハリがあったのです。

その演奏途中の無音状態に快感を感じたのを覚えています。それはきっと、音は静寂なしでは成立しないということの表現だったのではと思うのです。

あらゆる音は、静寂からやってきて静寂へと戻っていくのです。無音こそが全ての音の根源であるということです。

それと同じことが「存在」に対しても言えるのです。あらゆる存在は、無から立ち上がってきて、その無へと帰っていくのです。

無音という言葉に対応する無存在という言葉がないので、ただ無と表現するしかないのですが、意味合いとしては非存在ということです。

そしてその非存在が全存在の根源なのですが、それこそが私たちの本質である唯一無二の意識なのですね。

あなたの本当の姿は非存在だと言われても、何のことを言っているの?となるのですが、それを体得せずに死ぬのはもったいないなあと思っています。