自我というのは、とにかく特徴があるものを好むのです。際立ったもの、目立つもの、他に類を見ないものが好きなのです。
自分自身のことを投影しているからですね。自分自身が群衆の中に埋没して、その存在が消えてしまうのを恐れているのです。
だから、特別でありたいのです。群を抜いて優れているとか、群を抜いてダメダメなんていうのもアリなのです。
一番興味がないのが普通ということです。何の特徴もなく、群衆の中に溶けて存在が分からなくなってしまうからです。
こうしたことから、自我にとってはただ存在するということにも興味を持てないということが理解できますね。
存在というのはただ在るということなので、評価の対象にはならないからです。存在を他と比較することはできません。
何かの存在それ自体を特別視することもできません。だから自我にとっては、存在ほどどうでもいいものはないのです。
けれども、存在ほど絶対的なものはありません。どんな評価も超えて、ただ在ることの素晴らしさは他に例えようもないからです。
あなたは、どの程度存在を意識して生きてきたでしょうか?自分や他人の存在を見ることができれば、そこには信頼も愛もあると分かるのです。
もしも存在を意識してこなかったのでしたら、今日から存在に注目することです。自分の存在がはっきりすれば、ソワソワした不安などは小さくなってしまうでしょうね。