理想を掲げない

もしもあなたが生まれたままの無邪気さを見失うことなく生きていれば、あるがままの自分でいられることになるのです。

一方で、自分に対してある種の理想を作ってしまったとしたら、常に自分をその理想に向けて矯正し続けなければならなくなるのです。

それは途方もなく困難な人生を生きねばならないのは明らかですね。そのままのあなたが、あなたが作った理想とはかけ離れているに違いないからです。

どれほど頑張ったところでその溝が埋まることはありません。その無意味で絶望的な頑張りには、それこそたくさんのやり方があるのです。

ある人は、どこからどう突いたところで正しい人と思われるように頑張るのです。清廉潔白を目指し、それによって罪悪感から逃れようとするわけです。

またある人は、誰よりも抜きん出た才能や実績を残すことに命をかけようとするのです。そうして特別な自分であろうとするのです。

どんな努力であれ、作り上げた理想とやらに向けた虚しい気違いじみた努力が延々と続いていくことになるのです。

なんて哀れで、悲しい人生でしょう。自分に対して理想を掲げてしまうとそうした人生が待っているのです。

寸分違わぬあなたのままで全体性は充分に満足しているのです。そのことに少しでも早く気づくことが清々しい毎日を生きるカギとなるでしょうね。