私たちは、あわよくば都合のいいことばかり起きてくれたらと願うものですが、必ずしもそううまくはいきません。
というよりは、必ずや都合の悪いことが起きてきます。大切なことは、そのときにどのようにしているのかということなのです。
嫌な出来事には様々あります。22年前に私が経験した大腸癌の宣告もその一つでした。あるいは、頑張っても頑張っても仕事がうまくいかない。
それこそ交通事故に遭遇してしまうとか、大切な人に先立たれる等々。さあ、そのときにどのようにしているのか?
嘆き悲しむだけで問題と対面するのを先送りするのか、なぜこんなことになったのかと過去を悔やむのか、それとも未来を憂いて絶望するのか。
大切なことは、過去へも未来へも行かないこと。ただその渦中に居続けることです。無理やりの逆転劇を狙わないこと。
じっくりとその苦悩の中に入っていることで、自然と何かが起きるのです。それは周囲に起きるのかもしれないし、自分自身に起きるかもしれません。
解決、対処、そういったことを一旦忘れてしっかりとその中に入ることです。そうすると、不思議にどこからともなく光が見えてくるのです。
そこにじっとしていることは、どことなく信頼と類似している感覚があります。そして必ずやそうした逆境は、あなたに多くの気づきをもたらしてくれるのですね。