他人のことを考えない

グルジェフが、弟子たちにいつも言っていたこと。それは、「人のことを考えるな。さもなければ、あなたはけっして成長しない」と。

これはセッションでも時々話題になることなのですが、私たちが日頃どれだけ他人のことを考えているのか、気づいたらびっくりするほどなのです。

そしてなぜ、他人のことを考えるな、とわざわざ言われなければならないのかというと、その思考のほとんどが防衛に費やされているからなのです。

防衛している時間というのは、自分の本質に気づくことがない時間になってしまうということですね。

元々自我というのは、他人との関係性の中でのみ活躍できるように作られているのです。それは他人との関わりによって作り出されたものだからです。

自我は決して独りではいられません。そのくせ、本性は孤独そのものでできています。

もしも、立て続けに他人から「相当に具合が悪そうだから医者に行った方がいい」と言われたら、誰でもきっと本当に具合が悪くなってしまうでしょうね。

そのくらい他人の言動に依存しているのが自我なのです。だからこうした事実を知って、できるだけ他人のことを考えるのをやめること。

そして意識を自分の内側に向けているように練習することですね。グルジェフの弟子ではなくても、とても大切なことだと思います。