内側外側という幻想

私たちは心のことを自分の内面という言い方をしますね。つまり自分の精神的な領域は内側にあると感じているのです。

内側というのは、自分の身体を基準にしてその内側ということです。その反対に外側というのは、身体の外側に広がっているこの世界のことです。

ちょうど身体を境にして内側と外側に分かれているわけです。ここまではいたって当たり前のことです。

そこで、自分自身を意味する自分の内側を満足させるためには、どうしたらいいのかを考えてみるのです。

はじめから内側が満足している状態であれば、そこには何の問題もないのですが、誰の内側も満足などしていません。

そのため、私たちはその不足感をなんとかするために、外側の世界のものを内側に取り込むことで、満たそうとするのです。

ところが外側から何かを入手できたとしても、それは内側にまで入ってくることはありません。内側は元のままなのです。

外側のどんなものを所有できたとしても、それは内側には届かないと知ることです。考えてみれば当然のことですね。

外側と内側は別世界なのですから。であるなら、内側を満たすためには内側だけでなんとかしなければならないということです。

内側にある不足感、欠乏感は思考(幻想)に過ぎないと気づくしかないのです。しかもその幻想は内側と外側とに分離しているという思考(幻想)が元になっています。

その分離が幻想だと見抜くことによって、ようやくしつこい欠乏感からも解放されることになるのでしょうね。

それ以外には、内側に対するどんな救いもないのだと理解することですね。これを見抜くためには、やはり瞑想が一番いいのかもしれません。