役柄を演じ切る

優れた俳優さんは、与えれらた役柄を徹底的に演じ切ることができるのです。その役柄が好きとか嫌いとかあったとしても、それで演じ方が変化することはありません。

その役に成り切って没頭することで、大きな満足感を得ることができるのでしょうから。そこに満たされた生き方へのヒントがあると思っています。

私たちは誰もが自我という役柄を与えられています。ところが本当の自分のことを忘れてしまったがために、役どころと一体になってしまったのです。

その役を演じていることを忘れてしまい、要するに同化してしまったわけです。そうなると、役柄そのものを批判し始めるのです。

もっとこうだったらいいのにとか、なんで自分は他の人よりも◯◯なのだろうとか、とにかくその役柄のあるがままを認めようとはしないのです。

さらに言えば、その役柄から飛び立って別の役柄になろうと必死になったりするのですから、これでは死ぬまで演じていることを思い出せないままになってしまいます。

清々しく生きるヒントは、どんな役柄であろうとそれをありのままに知ることです。理想と照らし合わせるのではなく、判断せず、咎め立てせず。

そうやって、役柄を深く理解することで結局は本来の自分のことも思い出すことになるのでしょうね。