永遠に今この瞬間にただ在る

自我として生きている私たちは、普段はいつも時間の流れを感じながら生活しているのです。何かに没頭したり熱中しているときはその限りではないですが。

時間の中にいると思えば、たとえ1秒前でもそれは過去になるし、たとえ1秒後であってもそれは未来になるのです。

そう考えてみると、過去と未来しかないように見えますね。つまり、ちょうど過去と未来の境目である今この瞬間は、まさに瞬間でしかないのです。

それなら過去か未来にばかり思考が行ったり来たりしてしまうのも尤もなことだと分かります。じゃあどうすれば、その境目の瞬間にいられるのか?

直立した三角形の頂点にボールを静止させておくのがほぼ不可能なのと同じような気がします。どちらかサイドに転がり落ちるのは明白です。

けれどももしも重力の影響下から抜け出したなら、頂点にボールを静止させておくことは可能だと分かります。

それと同じことなのです。今この瞬間という現在とは、実は時間の仲間ではないということ。ここに気づく必要があるのですね。

時間とは思考によって考案されたものであるので、重力から抜けたのと同様、思考から抜けてしまえば今この瞬間だけが残るのです。

つまりは深い瞑想の中に入っていけばそれだけ時間は消えて、今この瞬間だけが全てとなるわけです。没頭や熱中も同じこと。

そして時間が消えてしまえば、時間が止まるということもなくなってしまいます。永遠に今この瞬間にただ在ることになるのですね。