不安の正体を見破る

自我というのは、その本性からして原理的に避けることのできない「不安」を持っているのです。それが何かというと、分離からやってくる不安です。

この分離不安は、母体から物理的に産まれたことによる不安だけでなく、肉体的にも精神的にも外界から分離して孤独であることからもやってくるのです。

それを無くしてしまうことはできないので、多くの人はその分離不安を誤魔化して感じなくさせる方法を使って、すまし顔で生きているのです。

それだけであればまだいいのですが、多くの人々はその純粋な分離不安にそれ以外のたくさんの別の種類の不安を重ねていくのです。

そのために、生きている間でどんどんと不安が大きく育っていってしまうのです。場合によっては、それ本当に不安なの?と思うようなものまで上塗りするのです。

例えば、明日遠足なのに雨が降ったらどうしよう、という思いがやってきたとして、考えても仕方ないやと忘れてしまうこともできますね。

けれども、その思いを自分なりにこれは不安の中に分類できるとして、元々の分離不安の上へと積み重ねていくわけです。

そんなことを繰り返していくうちに、気がついたらタイソウ立派な不安の塊が出来上がってしまい、それが本人をいいように操るようになるのです。

そうなってしまったら、その不安をなんとかして安心に変えようとする防衛の日々が続く、そういう人生になってしまうかもしれません。

もしも不安が大きいなと、不安に支配されている感じがするなと思うなら、心の中の不安をゆっくりと観察してみることです。

そして、その塊が本当は何からできているのかを見ることです。うまくすると、表面から順番に外していくことができるかもしれません。

そして、最終的には純粋な分離不安だけが残ることになるはずです。そうなったら、主従逆転の人生から解放されることになるでしょうね。

ーーーーーーーーーーー

こちらの動画もぜひご視聴ください。