目覚めのコールはいつやってくる?

以前会社員だったころ、日本中のあちこちへ出張することが多かったのですが、そのときにはビジネスホテルに泊まることがほとんどでした。

みなさんは、そういうホテルのサービスにモーニングコールというのがあるのをご存じですか?ベッド脇にある装置で時間を設定しておくと、翌日の朝その時間に電話がなって、誰かの生声で起こしてくれるのです。

いつもは自分が持参した目覚まし時計で起きていたのですが、その日はなぜかモーニングコールを試してみたくなったのです。やさしい女性の声で起こされたらさぞ癒されると思ったりして…。

残念ながら、その声は女性ではなくて若いはつらつとした男性の声だったのですが、それでもしっかり訓練された丁寧な言葉遣いだったので、いい気持ちで目を覚ますことができました。

これって、委ねるということですね。自分がどんなに眠かろうが、どれほど素晴らしい夢を見ていようと、とにかく目を覚ましてもらうように依頼するのですから、ある種の明け渡しです。

本当はそのときに、自分はまだ目を覚ましたくなかったかもしれませんが、とにかく相手に明け渡したのですから、そこで覚醒することができるのです。

これがもしも、自分だけの決意だったなら、本当に起きれたかどうか疑問です。まだ眠りを貪っていたい、この夢の中で幸福を味わっていたいと思ったかもしれないからです。

この人生においての導師と弟子の関係もそのようなものなのかもしれません。弟子は、導師に完全に自分を明け渡すのですから。

そして、導師は弟子の状態を深く洞察することで最良の刺激を与えてくれるのです。弟子のエゴがどれほど夢から醒めることを拒否したとしても、導師は弟子に目覚めの一撃を与えてくれるのです。

だれもがいつかは、そうした目覚めのコールをかけてもらう時がやってくると思うのです。それまで、何もせずにいるのか、それとも目覚める準備を自分なりに進めるのかは、自分次第ですね。

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