闘いを止めること

人生を闘い続けている人がいますね。そこまでして頑張って、歯を食いしばって戦い抜かなくてもと思うのですが、本人はそうせざるを得ないのです。

ご本人にとっては、決して闘いたくないしゆったり生きていければそれに越したことはないと思うのですが、どういうわけか闘わなければならない現実が次々とやってくるのです。

毎日の生活のため、人にバカにされないため、欲しいものを勝ち取るため、惨めな想いをしないため、幸せになるためにも、闘わねばならないというのです。

けれども、実は闘えば闘うほど、周りには苦難がやってきたり、敵が近づいて来たりしてしまうのです。残念なことに、こうしたことに本人はなかなか気づかないままであることが多いのです。

困ったことがやってきて、何とかそれを解決しなければならない事態になるのは、自分が闘っているからだということには、夢にも気づかないのです。

どういうわけか、自分を嫌う人、否定する人、理不尽なことを吹っかけてくる人、つまり本人にとっての敵が次々と現れてくるのも、自分が闘い続けているからだと気づけないのです。

闘う原因はすべて周囲にあり、その結果として自分は仕方なく闘い続けているのだという、表層的な正しさにしがみついているのです。

本当は、原因と結果は真逆になっているのです。どんな理由であれ、本人が闘うことを放棄したなら、困った事態や敵は姿を消し始めるはずなのです。

もしもあなたが、自分の人生は闘いの色が強いと感じているのでしたら、それを周囲のせいにするのをひとまずやめて、できるところから闘うのを止めていくことです。

このことをただ信じるのではなく、本当かよ?と思って少しでも興味があるなら、とにかく実践してみることです。それまで闘っていたのを止めるのですから、勇気が必要になるでしょうね。

けれども、闘いを止めていくことができたら、いかにそれまでの闘いの人生が徒労に終わるものだったのかということに、深い理解を得ることができるはずです。