自意識と自己意識

少なくとも地球上では、人間だけが自意識を持つようになったのですが、それには自我の存在が決定的に必要だったと思われます。

何かの拍子に奇跡的に自我が生まれ、それが長い年月をかけて世代を超えて次第に自意識を持つようになったのでしょう。

複雑な言葉を使えるようになったことも、自我が驚異的に発達できた理由ではないかと思っています。

言葉は、思っている以上に私たちを思い込みの世界に連れていくのです。私たちは他人の言葉の罠にかかって、深い刷り込みの中で生きているとも言えるのです。

自意識が生まれたおかげで、自分は今この人を愛しいと感じているとか、自分は今怒っているとか、すごく楽しい思いをしていると自覚することができるのです。

その一方で、自分もいつかは死ぬことになると思ったり、自分と他人を比較して苦しんでみたり、自意識を持つことによる苦悩も計り知れないものがあるのです。

ところで自意識とは、外側に向いていた意識を180度向きを変えて、内側に意識を向けている状態のことです。

ただし、内側に向けた意識のターゲットはあくまでも自我なのです。自意識とは自我に向けた意識のことなのです。

それに対して、自我を通り越して自分の本質の中心に意識を向けることを自己意識と呼びます。

自己意識とは、自己の本質がそれ自体に気づいている状態のこと。それ自体は非存在であり、宇宙の遍く存在を丸ごと包含しているのですね。

自意識よりも自己意識を体験させてあげるように練習することで、自意識からやってくるあらゆる苦悩を小さくすることができるようです。

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