優しさという形の自己防衛

本当の優しさとは、相手の立場に立てること。相手の気持ちをおもんばかることができること。

相手に憑依して、相手を思いやることができることです。このことに異論を唱える人はいないと思います。

けれども、だからと言って相手の気持ちを実際に優先するかどうかは全く別の話しだということを知らない人が多いのです。

相手の気持ちというのは、決して分かるものではありません。だからこそ寄り添って、分かろうと努めることには意味があるのです。

ただし、正確には分かりようがないということを前提として理解しておくことです。他人の気持ちが手に取るように分かるなどと言わないことです。

それはとても傲慢なことですから。分からないなりに少しでも近づこうとすることが大切なわけです。

それと同時に、相手を優先して自分を抑えるのは優しさではなく、防衛だということも理解しておかなければならないのです。

もしもあなたが自分の優しさの中に、自己犠牲が少しでも含まれると感じるのでしたら、それは防衛だということです。

防衛は長く続ければ、自己犠牲が蓄積していき、いずれは相手への怒りとなって表出することになるのです。

そこまできてようやく、あれは優しさではなかったと気づいたところでもう手遅れです。そうならないためにも、常に自己犠牲がないかどうかをチェックすることですね。 

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