空間が概念であることに気づくためには、空間について考えるのではなく、今ここで実際に経験されているものを直接観察するのが効果的だと思います。
以下のワークを静かな場所で、目を開けたまま行ってみてください。
① 目の前の景色を見る
今、目の前にはさまざまなものが見えています。壁、机、窓、あるいは遠くの景色。それらを特別な見方をせず、ただ見ていてください。
② 「距離」を見つける
目の前の物体と自分との間には、距離があるように感じられます。そこで、次のことを確かめてみてください。物体と自分の間にある「距離」そのものを見ることができるでしょうか?
見えているのは、物体や景色です。一方、「物体までの距離」というものは、物体のように見えているでしょうか。それとも、物体の見え方に対して、思考が「遠い」「近い」と解釈しているのでしょうか。
③ 空間を取り除いてみる
ここが、このワークの核心です。目の前の景色から、頭の中で「空間」という概念を取り除いてみてください。壁と机の間には空間がある。 自分と壁の間にも空間がある。
そうした説明を、いったん保留にします。すると、何が残るでしょうか。色や形、明るさなどの視覚的な経験は、そのまま残っています。
では、その経験とは別に、独立した「空間」というものを見つけられるでしょうか。空間を探しても、見つかるのは景色の一部や、景色についての思考だけではないでしょうか。
④ 見えているものと、解釈を区別する
例えば、壁が見えています。「壁がここにあり、私から2メートル離れている」というのは、日常生活では正しい説明です。しかし、今直接経験されているものと、その説明は同じでしょうか。
- 直接経験されているもの:色や形などの視覚的な現れ
- 概念による説明:壁、距離、位置、空間
この二つを区別してみてください。空間が概念であるというのは、空間が物理的に存在しないと証明することではありません。
「空間が存在している」という理解そのものも、今ここで経験されている事実とは別の、思考による説明なのではないか。そこに気づくことが、このワークの目的です。
最後に、一つだけ問いかけてみてください
目の前の景色を見たまま、こう問いかけます。「空間があると考える前に、今、実際に何が経験されているのだろう?」答えを頭で考える必要はありません。
空間があるとも、ないとも結論づけず、ただ直接経験を見つめてみてください。もしかすると、そこには「空間の中に景色が存在している」という経験ではなく、ただ景色が現れているという、もっと素朴な事実があるかもしれません。 by Claris

