老人ホームにショートステイして二日目の母親のところに行ってきました。一人用の冷蔵庫を持って行ったり、どんな感じで過ごしているのか気になったので。
私の顔を見るなり、ほんの少し涙を溜めた表情で、私は何を待っているのだろうか?というのです。なぜ自分がここにこうしているのかが全く分からないのでしょうね。
これまで毎日通っていたデイサービスとは違い、次から次へとあれをやってこれをやってとは言われないので、やることがなくじっとしていたのです。
自分の部屋に連れて帰っても、もう家に帰れないのなら死んだ方がマシのようなことを言うのです。
色々説明したところ、家に帰ったところで同じだと分かったようで、要するに今の自分の境遇を受け入れられずにいるのです。
認知症のために過去の自分として生きているような感じがするのですが、現状はこうだと言われてそんなことなら死んだ方がマシというのです。
様々な角度から言葉を紡ぎ、試行錯誤をしているうちに、今度は自分は恵まれているということを言うようになったのです。
お金にも衣食住にも困っていないし、身体は健康だし感謝しなければいけないという方向へと変化していったのです。
そうなると、途端に気持ちが穏やかになっていくのです。受容すると言うことは、どれほど大切なことなのかを身をもって見せてくれたのですね。