自我を泳がせる

刑事物のドラマなどを見ていると、時々犯人や容疑者を泳がせておこう、というようなシーンが出てきますね。

要するに、もういつでも署にしょっ引いて尋問することはできるのですが、そんなことをしてもおいそれと本当のことを言わないのが容疑者です。

そこで彼らを自由に泳がせておいて、自ら仲間と連絡をとらせてその所在が知れたり、隠しているものを取りに行ったりして、有用な情報を手に入れようとするのが目的なのです。

当然、容疑者ですから証拠隠滅を図ってみたり、場合によっては遠くへ逃亡してしまうということもあり得るわけです。

ですから泳がせるということはそれなりのリスクがあって、そのためにも十分に注意深く容疑者の言動を見張る必要があるのです。

これと同じことが自分の自我についても言えるのです。あなたが自我のことを深く理解したいのであれば、できる限り自由に泳がせておくことです。

そうすれば、自我がこれまであなたに隠してきたことなども、いずれは露呈することになるのです。その結果自我に対する理解はとても深くなるのです。

ただし、容疑者と同じようにできる限り注意深く見守る必要があります。それを忘れてしまった時には、自由を得た自我は隠してきたエネルギーを爆発させてしまうかもしれません。

しっかり見守っていてあげれば、つまり意識的である前には自我は大きなエネルギーは使えなくなるのです。

自我は自我自身を抑圧するのが得意なので、それが自我を理解することを妨害してきたという事実があるのです。

あなたがその抑圧を解いてあげて自由にしてあげること。そしてそれを観察してあげれば、自我の正体を暴くことができるし、そのことで自我のパワーも小さくなっていくのですね。

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