必要な苦しみと不必要な苦しみ

今まで生きてきた自分の人生を振り返って苦しんだことがない人というのはいないはずですね。ところで、人生には必要な苦しみと、不必要な苦しみとがあるということをご存じですか?

自分が体験した苦しみというものを、よ~く見てあげていると、必要な苦しみとそうでないものとがあると気づくはずです。それは、たとえばこういうことです。

あの日本中の人を悲しみのどん底に突き落とした、3.11のことを思い出してみて下さい。暖かな心を持った人であれば、誰であれその体験を苦しむことになるはずです。

そして、そうしたことは決してこれからもきっとなくなることはないだろうと、私たちは知っています。生きている限り、誰かの苦しみを感じて、自分も苦しむのです。

それを避けて通ることなどできないという意味で、必要な苦しみと表現しました。私たちは、人の苦しみを自分の苦しみとして感じることのできるすばらしい能力を持ち合わせています。

それは私たちの生まれ持った宝物なのですね。世界中のあらゆる人たちの苦しみから目を背けるべきではありません。何からも逃げずに、そのままを感じることです。

一方、不必要な苦しみというのは、あなた自身が作り上げる苦しみのことです。残念なことに、私たちはそのことに対する自覚ができないのが普通です。

なぜなら、その苦しみというのはあなたの「自分は傷つきたくない」という思いからやってくるからです。「自分の欲望を満たしたい」、「自分は人生をコントロールできるはず」などの思いも同じです。

こうした思いこそが、自分自身を傷つけてしまい、必要のない苦しみの中へと自分を突き落としてしまうのです。心理的に自分を守ろうとする気持ちが強ければ強いほど、苦しみも強くなるのです。

別の表現をするなら、必要な苦しみとは、愛の中で起きるものですし、不必要な苦しみとは恐怖(自己防衛)において起きてくるものなのです。

あなたが今苦しんでいるとすると、どちらの苦しみを体験しているのか、じっくりと見てみることです。必要な苦しみを感じている人は、苦しみながらも清々しい気持ちを持ち合わせているはずです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です