マーケッティング戦略などで商品をより売れやすくするために、さまざまな印象操作がなされると聞きますね。
そういう意味では、この社会では一般的になされていることだと言えます。ただ、操作という言葉を聞くと、どうもあまり肯定的な意味を感じないのも正直なところ。
例えば、お母さんが子供をコントロールしようとして、「お前のことをみんなが悪い子だと言ってるよ」と言えば、これはもう立派な印象操作の一つになると思います。
「みんな」というフレーズが、お前は悪い子という表現に重みを感じさせるからです。こんなあからさまな印象操作は普通はしないかもしれませんが。
ところで、印象操作というのは他者に対してなされるのが一般的だと思われがちですが、実は自分で自分のことを印象操作することも多々あるのです。
どういうことかというと、例えば幼い頃が辛い毎日だったとして、その傷を見たくないがために過去を印象操作するのです。
過去には色々あったかもしれないけれど、それはそれで成長できたし感謝するべきことの方が多いなどと考えて、自分に対してポジティブな印象操作をするわけです。
そうして、大人の自分が色々問題を抱えていることと、幼い頃の生活、体験を結びつけようとしないのです。多くのクライアントさんはこうした傾向を多少持っているものです。
印象操作を上手にやられてしまうと、起きたことをあるがままに見て、あるがままの感情を味わうという癒しの作業に、全身全霊で打ち込むことが難しくなってしまいます。
どんな印象操作をしていようとも、それを丁寧に剥ぎ取っていくことでいずれは癒しを進めていくことになるでしょうね。