過去のエピソードを見直す

以前プロのキックボクシングの選手が言っているのを聞いたことがあるのですが、試合中はスネなどを何度も蹴られても、ほとんど痛みを感じないらしいですね。

試合が終わって、猛烈に出ていたアドレナリンが収まってくると、途端に蹴られてミミズバレになっているところが腫れて、しかもひどく痛くなるのだとか。

試合中は、脳が痛みを麻痺させて感じないようにしてしまうのですね。つまりは、痛みの自覚がなくなっているわけです。

自覚があろうがなかろうが、身体は大変な傷を負っていることに変わりはないわけで、それは身体だけでなく、心でも同じようなことが言えるのです。

例えば、怒りを抑える三つの要素があるのですが、それは恐怖と罪悪感と自己否定感です。この三つのうちのどれか一つでもあると、怒りは抑えられて感じなくなってしまうのです。

この場合も、怒りがないわけではなくただ単に抑えられて心の奥底にしまわれてしまうだけなのです。したがって、このようなことが続けば、いずれその怒りは爆発することになるのです。

幼い頃に安心できずに、不安や恐怖の中で過ごしてしまうと、本人の自覚がないままにさまざまな感情や無邪気さなどが抑えられてしまうのです。

それが後々人生のあらゆる場面で好ましくない影響を与えてくるのです。幼い頃の自分には自覚がなくても、大人の自分が過去のエピソードを見直して本当の気持ちや感情に気づいてあげること。

催眠療法にはそうした効果を期待することができるのです。ご興味があれば、ぜひ一度試してみることをお勧めします。