在ること、成ること

自分に対して、何だか自信がないという人が大勢います。そんな時、自分の何に対して自信がないのかを見てもらいます。

自分の能力、経験、成果、あるいは自分の外見、このようなものを全部傍に置いたうえで、最後に残った自分の何に自信がないのかを見てもらうのです。

それは自分の存在に対して自信がないのだということに気づくのです。なぜすぐに気づくことができないのかというと、自分の存在に対して日頃から意識を向けていないからなのです。

人生という物語の中では、自分の存在というものがクローズアップされることがないからなのでしょうね。

いつも自分の身に何が起こったのかとか、どう思われているのかなど、どう評価されているのか等々、全て自分の存在とは無関係のものばかり。

つまり、自分はどう成っていけばいいのかということだけに焦点が当てられているわけです。それは、自我の範疇のこと。

それに対して、自分の存在、ただ在るということは自我とは無関係なのです。けれども、存在に意識が向くことでしか、真実を感じることはできないのです。

騒がしい自我を少しの間だけでも傍らにおいて、ただ在ることにのみ意識を向けることです。その時には、人間という範疇からはかけ離れた存在を感じ取ることになるはずです。