無邪気な男の子たち

事務所からのクルマでの帰り道、いつもの狭い道路、いつもの踏切。この踏切を通らずに帰る方法があればいいのですが…。

運悪く左右方向から同時に電車が来るようで、こうなるとしばらく待たなければなりません。すると、そこに後ろから自転車に乗った二人の小学3〜4年くらいの男の子が来たのです。

彼らは、私のクルマと遮断機の狭い間に入り込んできました。まあよくあるパターンだなと思っていたのです。

すると、一人の男の子が後ろを振り返って誰かに手を振っているのです。その子のことを見ていると、なんだかすごく目線が合うなと。

その誰かが私の真後ろにいるのだろうと思ったのですが、誰もいそうにありません。そのうち、またその子が振り返って手を振るのです。

もしやと思ってこちらからも振って見たところ、その子が前を向いてガッツポーズをしたのです。もう一人の子は、手を振る私を見ていたらしく、可笑しそうに恥ずかしそうに下を向いたのです。

遮断機が上がって、先に彼らを通らせた後ゆっくりと自分も線路を渡ったのですが、その後彼らは私のクルマに負けじと猛スピードで自転車を漕ぐのです。

どこまで競争が続くのかなと思っていたのですが、さすがに気がついたら彼らの姿は消えてしまいました。

小学生の男の子が、普通見ず知らずの大人に興味を示すことなどないだろうし、ましてクルマを運転しているいい歳のおじさんに関心などないはず。

知らない大人に手を振ってみて、反応してくれるかというゲームをやっていたのかも知れませんが、そうだとしたらまだ無邪気さが多く残っている子なのでしょうね。

人は幼い頃、無邪気でいられた期間が長ければ長いほど、内面が健康に育つものなのです。彼らの将来が楽しみだなと思わずにいられません。