母親崇拝は危険

人が3人集まると、そこにはさまざまな人間模様が生まれます。あなたとAさんとBさんの3人のグループをイメージしてみてください。

あなたが最も恐れるのは、AさんとBさんが仲良しになり、2人が結託して自分を否定してきたりすることだと思います。

そうであるなら、あなたとAさんやBさんとの関係はともかくとしても、AさんとBさんがあなた抜きに仲良くなるのが一番危険なわけです。

あなたが病んでいるなら、あなたに最も好都合な状態とは、あなたとAさんは仲良しで、あなたとBさんも仲良しであって、しかもAさんとBさんは競い合う関係であることです。

表現は悪いですが、AさんとBさんがあなたを求めて競い合う状態がベストなのです。この関係性を維持できるなら、あなたはやりたい放題になるはずです。

こうした関係性が家庭内で起きることもあるのです。大体の予想がつくと思いますが、お母さんが子供達をうまく支配したい時に、似たような戦法を使うのです。

子供達は、誰もがお母さんは絶対、いつも正しいと思い込んでいるだけでなく、お母さんに自分が一番だと思われたいとして、互いに競い合う関係になるのです。

こうなると、子供達はお母さんのことをある意味崇拝するようになるので、口答えはおろか正直な表現もできなくなってしまうのです。

その結果はもう明らかです。兄弟同士は大人になってもなぜか仲が悪い状態となり、一人ひとりは他人と対等の関係を作るのが難しくなってしまいます。

そうして、自己表現ができなくなり結果としてあらゆる自己犠牲を自分に強いる人生になってしまうのです。

このような場合には、母親を崇拝してしまっていた時代のことをしっかりと思い出し、どんな我慢や抑圧をしてきたのかを明らかにし、蓄積している感情を解放してあげることです。

時間はかかるかも知れませんが、母親への崇拝が解けてくればもっともっと生きやすい人生へと変わっていくはずですね。