親というのはとかく子供のことをあれこれと心配するものですね。特に、一般的に言えば母親の方が父親よりも子供との距離が近いということもあって、母親は子供のことを心配するのが仕事、みたいなところがあるのです。
これは母親自身の内面の不安を、子どもに投影してしまうことから起きるものです。それがひどくなると、過干渉と言われる状態になったり、口うるさい母親にもなるのです。
母親からあまり興味を示してもらえなかったと感じている人にとっては、母親から関わってきてくれるのだから有難いことだと思うかも知れません。
ただし過干渉や心配性の親というのは、子供への関わり方が一方通行なので、子供の側からすると分かってもらった感が不足しがちでもあるのです。
つまり関わってもらっているように見えても、実際には心の繋がりは希薄になってしまうのです。その不満はとても大きなものになってしまう可能性があるのです。
わかりづらいことかも知れませんが、過干渉や心配性の母親に気持ちを受け止めてもらうということはほぼ無理だということです。
かえって普段はぶっきらぼうであまり会話もしないような父親の方が、いざとなったら子供の気持ちを理解してあげられるという場合だって少なくないのです。
物理的な距離が近くても、気持ちを分かってもらえなければ心理的距離は遠いままになってしまうのです。
たくさん関わってきた自負がある親からすると、子供との距離は近いと感じることもあるかも知れませんが、逆に子供側からは親との距離を取るようになってしまうのです。
親自身が自分の不安を投影してしまっていることに気づいて、癒しを進めていくことが是非とも必要ということですね。