バカバカしいジレンマ

私たちはいつも何かを求めています。ここにない何か、今日は手に入らない何か。それを探し求めていることで、マインドは生きながらえているのです。

誰もが、そのことにうっすらと気づいているのですが、本当に気づいてしまったら都合が悪いので、そこはそうっとしておこうとするのです。

自分なりの方法で思考から離れて静かにしていると、何も求めない状態、どこかへ向かおうとするエネルギーがなくなっていることに気付かされます。

過去も未来も消えてしまって、ただここにいるのみとなるのです。そしてそのことになんの問題もないと分かっているのです。

ところが、そこから外れていつもの日常に戻ってくると、ああどこかへ向かおうとしているなとか、何かを求めているなと気付かされるのです。

そうやって、今この瞬間から離れてすっかり馴染んでしまった満たされない状態へと戻ってくるわけです。

満たされたいという願いを持っている状態こそが、絶対的に必要なものだということです。いざ満たされてしまったなら、マインドは消えていくしかないからです。

このバカバカしいジレンマに気づくこと。はっきりと理解して、そこから目を逸らさないことで、次なる展開がやってくるのでしょう。

何も求めない状態でいられることが、どれほどありがたいことか。これこそが本当の自活、自分だけで完結している満たされた状態なのですね。