ブレーキから足を外す勇気を

この世界の法則を一つ挙げるとしたら、それはあらゆることが変化し続けるということです。何であろうと、この法則から逸脱することは不可能です。

どんな物事であっても、何が起こったとしても、いずれは終わりがやってきます。発生したものは、消えていく運命にあるのです。

そして、最終的にはこの宇宙でさえいつかは消滅することになるはずです。そのときには、空間も時間も他のすべてと同じように、消え去るわけです。

完全なる無の状態に戻るのでしょうね。私たちは、生まれると同時に、死という名の消滅へと一直線に進みだすのです。

これは厳然たる事実であって、どれほど神に懇願したところで変わることはありません。真理とはある意味冷酷なものですね。

こうしたことを知らない人はいないものの、普段は都合よく忘れて生活しているものです。けれども、このことを忘れないことこそが生を生きるうえではとても大切なことかもしれません。

なぜなら、宇宙のスケールからしたら、ほんの一瞬のように短い人生なのに、何かに怯えて精一杯やりたいことをやることもできずに死んでいくことが多いからです。

私たちは、いやな思いをすることを恐れて、恥ずかしい思いをすることを恐れて、失敗することを恐れて、人からの否定を恐れて、プライドを傷つけられることを恐れて、ブレーキをかけてしまうのです。

あっという間に無に帰するということをもう一度思い出し、ブレーキから足を外すことができたら、人生との付き合い方が変わるかもしれません。

何かを恐れることは問題ではないのです。ただ、ブレーキを踏んでいた足を退ければいいだけです。どんな結果であろうと、そんなことは構わないのです。それは丸ごと消滅するのですから。

そして、恐れを感じる方向へと、胸を張って船出するチャンスは毎瞬あるのだということに気づくことです。きっと、神は応援してくれるはずです。