「いじめ」のニュースを観て思うこと

この数日、ネットのニュース番組で「いじめ」の問題が取り上げられているのを観て、思い出すのは、クライアントさんの多くが、同じようないじめの経験をされているという事実です。

大抵が、小学校や中学校でのいじめですが、場合によっては幼稚園や高校、そして大人になってからのいじめの事実もあるのですね。

いじめを受けた側からすれば、それは本当に理不尽きわまりない体験であるわけで、ましてやまだ未熟な子供がそれを経験するのですから、その苦悩は計り知れないと言えます。

幼少期に、理不尽な想いを繰り返し経験してきた子供は、集団生活の中でいじめに遭うようになったり、反対にいじめる側になる可能性が高いのです。

いじめられる側になるのは、勿論理不尽な体験がパターン化されて、人生において繰り返されるという側面が強いのです。

一方、いじめる側になるのは、ある意味で仕返しの色合いが強いのです。理不尽な体験によって溜め込んだ怒りを開放するために、自分より弱い存在を探していじめ返すわけです。

だからこそ、いじめが起きるパターンは、一対一ではなくて、集団が一人の子供に対していじめるという構図が出来上がるのです。

集団になることで、自分が相手よりも強い立場になったと錯覚するのです。そして、本当は情けない自分を補強しながら、か弱い一人の相手をいじめるのです。

つまり、広い意味ではいじめる側に回ることで、自己防衛していることになるのです。本人は、そんなことに気づくはずはないでしょうけれど。

いじめられる子供も、いじめをする子供も、どちらも心の奥に被害者としての惨めな自分を抱えているのです。

子供のころに、いじめの問題で子供本人がセラピーにやってくるということはないでしょうから、そのときを周りの大人の助けを借りつつ何とか乗り切って欲しいと思います。

ニュースを観ていて思うことは、いじめが原因で自殺してしまうくらいに辛いのなら、まずはそんな学校へ行かなくてもいいということを、子供に分からせてあげることが大切なのではないかと感じますね。