罪悪感という切り札

「北風と太陽」というイソップの寓話があることは、みなさんご存じだと思います。北風と太陽のどちらが、旅人のコートを脱がすことができるかという物語ですね。

強引な力技の北風よりも、より優しい太陽の方に軍配が上がるというものです。厳しく叱るだけではなくて、たまには褒めるという飴を与えることも大事ということの例えなのかもしれません。

それでは、親が子供を意のままにコントロールしようとしたら、どのようにするのが一番効果があるでしょうか?北風の方法は、激しく叱ったり、叩いたりして恐怖でコントロールするということですね。

太陽というのは、無理やりに強いるのではなくて、子供が自発的に親の言うことを聞くようにするということです。この自発的にという場合には、実は二通りの場合があるのです。

それは、子供がそうしたくて自発的にするという場合と、もう一つは気が進まないながらも自発的にするという場合です。後者について考えてみたいのです。

子供が表面的には強制されることはないものの、仕方なく従うようにする方法、それは一体どういう方法なのだか分かりますか?

それは、親が子供の罪悪感を悪用する方法なのです。子供は、親の態度や言動などから、自分が悪いことをしてしまった、申し訳ないという気持ちにさせられると、親の言うことを聞かざるを得なくなるのです。

例えば、親が自分のせいで悲しむことになったと感じたら、子供は罪悪感から逃れるために、できるだけ親の期待に答えなければと思うようになるのです。

親が事あるごとに、子供の罪悪感に訴えるように接すると、子供は恐怖や怒りをあまり明確に感じることなしに、親の言いなりに結果としてなってしまうのです。

親としたら、これほど都合のいいことはありません。そして、子供は、親のそうした無意識の策略に気づきにくくなってしまうため、こうしたコントロールは長い間続くことになるのです。

もしもあなたが、親から罪悪感を必要以上に感じさせられたという自覚があるのなら、コントロールされてきた親への怒りにも気づくことですね。

そして、抱えている罪悪感をしっかりと正面から見て感じるということを訓練することです。それができるようになって、初めて親のコントロールから本当に解放されることになるはずです。

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