自分の中に来たり去ったりするものがあるとしたら、それが自分自身ではないというのは何となく理解できるはずです。
その代表的なものは、思考ですね。思考というのは、何かを考えているとき、イメージしているとき、思い出したり、予想したりするときにやってきます。
逆に深くリラックスしていたり、ぼんやりとしている時などは、思考は何処かへ行ってしまいます。感情も同じように常にあるわけではありません。
それなら「私」というのはどうでしょうか?思考や感情などと違い、常にあるように思えます。けれども、そうでもないのです。
何かに没頭していたり、何かに夢中になっている時などには私はいません。あるいは、思い切り笑い転げている時なども同じです。もちろんずっといなくなるわけではないですが。
そうなると、ずっと変わらずにあり続けるものとは一体何でしょうか?そんなものあるのだろうか?という疑問が出てくるかもしれません。
ヒントは音と静寂です。音はやって来たり去ったりするものですが、そのバックにある静寂は常にそこにありますね。
そして静寂がなければ、音が存在することもできなくなるのです。同じようにして、思考や感情や私のバックにあるものに気付けばいいのです。
それが意識ですね。一般的に言う意識というより、私たちが存在できるようにしてくれてる空間のようなイメージと言えばいいのでしょうか?
本当はイメージすることなどできないのですが、それをいつも何処かで感じていられるといいなと思うのです。
それこそが私たちの本質だと感じるからです。実際にそれをしっかり感じられるときは、何とも言えない満たされた感覚がやってきてくれますね。