死を意識することの大切さ

年齢を重ねていくと、若い人々と比べて有利だと思えるようなことがいくつかあります。一般的なイメージで言えば、年齢とともに次第に穏やかさが増していくのです。

若い時には、これから自分の人生を開拓していかねばならないし、未知数なことが盛りだくさんなので、どうしても力が入りがちなのです。

そのため余裕がなかったり、毎日が戦いの様相を呈したりすることになるのです。一方で、人生の先が見えてくればおよその見当がついてくるのです。

そうなれば、カリカリしていたものが肩の力が抜けてゆったりとした態度にもなれるわけです。高齢者の余裕のようなものをまとうようになるのです。

ところが、年齢を重ねていっても若い時と変わらないどころか、よりひどくなっていく人もいるのですね。

その違いは何かというと、そう言った人々の場合は、死が間近に迫ってきているということから目を背けて生きているのです。

そうなると、もっともっと結果を残さなければいけないとか、若い人には負けられないと言った気持ちが強いので、高齢者であることのメリットを享受できないままなのです。

偏屈な人がより偏屈になったり、頑固な人がもっと頑固になったり、より怒りが強く出るようになったりして、手がつけられなくなったりするわけです。

やっぱり、老いては子に従えではないですが、死をしっかりと意識することがどれほど大切なことかが分かりますね。