若い頃、自分の中で勝手に思っていたことがあるのですが、それは「神はどんな質問にでも答えてくれる存在だ」というものです。
神ほどの存在であれば、人間ごときの質問であれば、簡単に答えてくれるはずと本気で思っていたのです。勿論、神という存在があればの話しですが。
けれども、今は全くそうは思っていないのです。それは、質問自体に問題がある場合も多々あるということが分かって来たからです。
質問というのは、あくまでも思考が作ったものなので、それに対する答えというのも思考レベルのものになってしまうのです。
たかが思考の世界での質問と回答なのです。思考のワールドで生きているからこそ、思考を超えた世界に気づけないのです。
だから神も思考のレベルにあると思ってしまうのですね。思考というのは非常に不完全なものでしかないので、答えることが不可能である質問もできてしまうのです。
疑問や質問というのは、瞑想に入っていけば消えてしまうもの。その程度のものでしかないのです。
疑問が消えていく無思考の世界にいる時の何とも言えない清々しさ、その世界に思考がやってくることはそもそも不可能なことなのですね。