人格はほんの一部

私たちは、朝目が覚めた時には当然のことながら、昨日までの自分がそのままに今日を生きると思い込んでいるのです。

昨日までの続きを今日からまた開始するわけです。自分はずっと継続しているのですから。どこかで途切れたり、違う人格になってしまったりしていないのです。

けれども、この人格を持った自分という存在は、本当に昨日までの自分と同一人物だと言えるのでしょうか?

単に記憶を引き継いでいるだけだとは言えないでしょうか?しかもその人格こそが自分100%だと本当に言えるのでしょうか?

こうしたことを突き詰めていくと、甚だ疑問だなということに気づくようになるのです。毎日の物語の中に没入してしまっていると、こんなことに気づく余裕はないでしょうけれど。

私はいつも疑っています。昨日までの自分、あの慣れ親しんだ人格を持っている彼が、100%本当の自分であるとどうして言えるのか?

そしてすでに日課となってしまっているのですが、この人格以外の自己を感じている時間を大切にするようにしているのです。

もう自我というこの人格こそが、本当の自分だなどとは断じて思えないのです。そんな薄っぺらいものではなく、この世界や宇宙に遍在している感覚の方が遥かに真実味があるのです。

これほどの救いはありませんね。