コインの片面だけを入手することはできない

この社会で私たちが日常的に使っている言葉の中で、肯定的で良いイメージがあるものもたくさんあるのですが、その中でも自分にはあまりしっくりこないなと感じる言葉があります。

それは例えば、向上心とか、優越感、あるいは自尊心など。よくプライドを持て!と指導者が叱咤激励する場面を見ますが、あれも好みではないですね。

以下のoshoの言葉を読むと、そういうことかと納得できますね。

あなたが理解しなくてはならないのは、自分で自分を優れていると思うときに感じる自尊心と、誰かが自分より優れていると思うときに感じる屈辱感は、同じコインの別々の側面だということだ。このふたつの面は表裏一体だ。まるごとならコインを捨てられるが、半分だけ取っておくわけにはいかない。

同様にして、「自信を持て!」という言葉もありますね。これも苦手なのです。自信が持てないという人にとっては、自分を持つことはいいことだと思うかもしれません。

けれども、自信があるのと自信がないのとは同じコインの裏表なのです。それは、コロコロと表と裏が入れ替わることになるのです。

価値ある自分になる、というのも同じこと。価値がある自分には、その裏側にベッタリと価値のない自分が張り付いているのです。

我々が住んでいるこの世界は、二元性の世界なので表と裏のどちらか一方だけというわけにはいかないのです。

快楽を求めれば、いずれは不快がやってきます。愛を求めれば、いつしか憎しみに変化してしまうわけです。

それが悪いということではなく、そういうものだということを知っておくということが大切なのです。

ただし、思考から抜け出すことができた時だけは、裏表のない非二元の世界へと戻ることができるのですね。